研究内容

研究テーマ

 研究室を主宰する宍戸教授の専攻である「観光学」の視点から、地域活性化や人材育成が主な研究テーマです。具体的なキーワードは、「観光教育(=観光人材育成)」「観光まちづくり」「インバウンド」等の「観光事業」に着目し、観光の革新と研究室メンバーの関心領域に基づき、幅広く社会の観光現象に対して、ビジネスと人材育成の視点で研究を行っています。

<研究イメージ構想中:以下の図は作成者として加わった高校生向け観光学案内 出典JTB能力開発>

外部資金による研究

<科学研究費>

研究1:高等学校における観光ビジネス教育導入による観光教育の体系と接続に関する研究

(科研費 基盤研究(c) 21K12489 研究代表者 2021~2024)

観光教育には、観光を素材に学ぶ「観光の基礎教育」と観光の人材育成を行う「観光の専門教育」がある。2022年度に新学習指導要領で、商業科目「観光ビジネス」が導入されるが、高校の観光の専門教育は、十分議論されていない。また学校現場のみで観光ビジネス教育のカリキュラム開発や外部連携を行うことは容易ではない。以上から、本研究により、「観光ビジネス」を導入する高校の観光専門教育を検討し、高校普通科や小・中学校の観光の基礎教育を踏まえた観光教育の体系を考察し、高校の観光ビジネス教育の役割を明確にすることで、初等中等教育における観光教育の体系を明らかにし、大学の観光教育への接続を検討したものである。

研究2:持続可能な訪日教育旅行誘致のためのプラットフォーム研究

(科研費 基盤研究(c) 17K02138 研究代表者 2018~2022)

訪日教育旅行の誘致においては、担当者に依存せず、知見の蓄積や関係者間の連携など組織体制とその持続性が重要である。持続可能な受入れプラットフォーム構築には、以下4点が必要となる。

①受入体制の整備と専任人材の配置。特に学校交流調整のため、教員出身のコーディネーター配置が有効。②予算確保や誘致広報等を関係者で共有し、連携した活動の推進。③広域の受け入れには、複数の自治体が連携して取り組む。④課題の検討のため、受入データを詳細に把握し、議論を重ね、計画的に取り組む。そのためにも、訪日教育旅行を所管する専門組織を作り、専任担当者が、行政・地域・事業者・学校と関係を構築し、対応できる仕組みが必要となる。

本研究では、様々な地域事例から、訪日教育旅行の実態を明らかにし、課題の整理を通して、持続可能な受け入れ態勢づくりに向けた手法を明らかにし、今後の地域での受け入れ促進のために必要なプラットフォームの要因を指摘した。同時に、訪日教育旅行の定義の再考や統計データ等を活用した考察などいくつかの学術的なアプローチを示すことが出来た。

研究3:学習型観光を利用した教育観光のフレームワーク研究

(科研費 基盤研究(c) 23614026 研究代表者 2011~2013)

本研究では、観光企業や観光地が扱う学習型観光の教育フレームワークを検討した。

第一に、「学習型観光」を「学びの要素を魅力とする観光行動」と定義した。第二に、観光企業や観光地の多くの学習プログラムを検証し、整理することで、学習型観光の現状と課題を明らかにした。最後に、学習効果の高い学習型観光プログラムを検証することで、体験価値および教育効果を高める3つの観点を示し、体験者の満足度を上げ、学習効果を高める教育観光のフレームワークを提示した。

研究4:高等学校の総合的な学習の時間における観光教育のカリキュラム研究

(科研費 基盤研究(c) 18601008 研究代表者 2006~2008)

本研究は、第一に、新しい教育である高等学校の観光教育カリキュラムの調査と分析を行い、専門教育・科目開設・総合的な学習の時間など多様な観光教育の現状と課題を明らかにした。第二に、総合的学習における観光教育の位置づけを明確にし、既存研究や各校の教育実践に基づき、総合的学習の4つのモデルカリキュラムを検討した。そして、第三に、総合的学習の授業運営や指導環境の難しさを考慮し、具体的な学習指導計画を提示した。

<日本観光ホスピタリティ教育学会による研究助成>

研究5:科目「観光ビジネス」導入による観光教育推進のための高大連携に関する研究

(日本観光ホスピタリティ教育学会 グループ研究助成 研究代表者 2021-2022)

1980年代にはじまる高校の観光教育は、学習指導要領に科目設定はなく、学校設定科目や各教科内で学校や教員が独自に取り組むものであり、数多くの課題を抱えている。2022年度からの新学習指導要領で、商業科科目「観光ビジネス」が設置されることで、高校の観光教育の標準化と広がりが期待される。一方で、これに関する各校の指導教員の研修や教授方法、生徒たちの学習方法、地域や産業界との連携の推進などの課題も多く、これらの議論や解決を高校現場に求めることは難しい。そこで、本研究では、科目「観光ビジネス」の推進にむけ、大学の観光教育の知見や資源を生かし、諸課題の解決法を検討し、高校の観光教育と大学の観光教育が連携することにより、生じる教育効果と課題について考察した。

研究6:商業科目における生徒の資質・能力開発に効果的な観光教育プログラムの研究

ーケースメソッド教材の開発を事例にー

(日本観光ホスピタリティ教育学会 グループ研究助成 共同研究者 2024-2025)

新学習指導要領において新設された「観光ビジネス」が令和6年度から全国的に導入された。観光教育の広がりが期待されている反面、教員達の科目へ理解は不十分であり、教科書の活用だけでなく、学習指導要領に基づく「観光ビジネス」に関する効果的な教育プログラムの必要性が求められている。

そこで、商業科目の学びを通し、地域観光活性化のために活躍することのできる専門的職業人(以下、観光人財)を育成するために、観光ビジネスの授業の現状を調査し、地域の観光活性化に求められる人材育成に有効な学習モデルを検討している。具体的には、見方・考え方を働かせ、実践的・体験的な学習活動を行なうことなどを通して「観光ビジネス」の展開に必要な資質・能力を育成する実践的な観光教育プログラムの開発を目的に取り組んでいる。(継続中)

研究プロジェクト

政府や自治体、企業と連携したプロジェクトにも積極的に参加しています。

主なものとしては、「観光教育全般」「教育旅行」「観光施策・計画」「産業観光」「MICE」他、です。

詳細は、本サイトのリンク研究者情報からご確認ください。

研究業績(観光教育関連)

(2021-2024科研費の成果を掲載。その他の詳細は、研究者情報・リンクからご確認ください)

  1. 宍戸学 2021 「高等学校の観光教育の多様化とその体系に関する研究―科目「観光ビジネス」の導入を契機に―」、 『第37回日本観光研究学会全国大会学術論文集』、257-262.
  2. 宍戸学 2022 「教育機関における観光教育の研究課題とその視座に関する考察」、『第37回日本観光研究学会全国大会学術論文集』、339-344.
  3. 宍戸学 2021 「現代社会における観光教育の役割を考える〜ウィズ/ポストコロナ時代を見据えて〜」、『機関誌 観光文化』. No. 270.9ー14.
  4. 鈴鹿剛・宍戸学・千葉里美・中村宏茂 2022 「科目「観光ビジネス」導入に向けての高校現場の現状と課題ー高校教員へのアンケートを手がかりとして-」、 『日本観光ホスピタリティ教育学会全国大会発表要旨集』. No. 21.2-3.
  5. 鈴鹿剛・宍戸学・千葉里美・中村宏茂 2023 「科目「観光ビジネス」導入に向けた高大連携推進に関する考察—既存の実践例を手掛かりにー」、『日本観光ホスピタリティ教育学会全国大会発表要旨集』、 No. 22、8-9.
  6. 宍戸学・難波繁 2023 『商業科教員養成課程における科目「観光ビジネス」の指導に関する考察』『日本観光ホスピタリティ教育学会全国大会発表要旨集』. No. 22.10-11
  7. 宍戸学 2022 「観光教育における商業教育の意義—観光教育の体系とその位置づけ—」.『とうほうNavi』.第26号.東京法令出版,1-11,
  8. 宍戸学 2023 「高校の観光ビジネス教育の導入の手引き ―何から始めるか―」。『とうほうnavi商業情報,』、第28号、同上、1-11
  9. 宍戸学 2024 「日本における海外の観光教育研究に関する考察ーオーストラリアの観光教育を事例にー」.『日本観光ホスピタリティ教育学会全国大会発表要旨集』.NO.23, 28-29
  10. 宍戸学 2021 「グローバル化に対応した産業教育の充実-地域のインバウンドや国際交流と観光教育の取組-」、『産業と教育』、70/9、実教出版、2-7
  11. 宍戸学 2022 「観光教育の多様化と教育旅行」、『教育旅行』, NO789、日本修学旅行協会、4-5
  12. 宍戸学 2022 「観光学としての観光教育研究の現状と課題」.『日本観光研究学会機関誌』、 34 (1) 68-72
  13. 宍戸学 2024 「日本の教育政策と観光政策における人材育成と観光教育に関する考察 ―観光立国推進基本計画と関連施策における観光教育―」、『第39回日本観光研究学会全国大会学術論文集』
  14. 宍戸学・神谷和宏 2025 「中学校における観光教育の現状と今後の展望―観光教育の体系における位置づけと役割に着目してー」『日本観光ホスピタリティ教育学会全国大会発表要旨集』.NO.24, 掲載予定
  15. 笠木秀樹・伊東秀幸・宍戸学「資質・能力を育むケースメソッド教材の開発: 科目「観光ビジネス」を中心として」『日本観光ホスピタリティ教育学会全国大会発表要旨集』.NO.24, 掲載予定
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